皆さんこんにちは、斉藤です。
　――え？　お前は誰だって？
　あ、すみません。僕は、以前ガラの悪い先輩達にお金を巻き上げられそうになっていた所を、瑞輝さん達に助けて頂いた“あの”斉藤です。
（分からない人は、SS置き場の『高校編・恐怖の風紀委員』を見てね）
　今回は、僕がマネージャーを務める女子空手部の皆さんをご紹介したいと思います。



　僕がこの高校に入ってからよく耳にする言葉がある。
　それは女子空手部の事なんだけれども、その言葉と言うのが――。


『愛好会みたいな弱小空手部』


　と、言うものだった。
　確かに、新入部員の勧誘会で、各部活動の紹介の時に見た女子空手部員の皆さんは、皆痩せていて本当に空手なんて出来るんだろうか？　と思える位弱そうに見えた。
　なぜ彼女達が空手と言う格闘技をしているのか不思議でならなかった。
　しかも、部員数が4名で全員3年生との事。
　彼女達が引退して入部希望者がいなかったら、廃部になっていたらしい。
　しかし、瑞輝さん達が入部する事によって廃部は逃れた。
　今では空手経験者の新人教師――五里先生が女子空手部の顧問になったり、実家が空手道場の人がいたり、中学時代に大会で優勝経験がある人達など、凄い人達が揃っている。
（3年生の先輩は、受験勉強に力を入れたいからと言って、瑞輝さん達が入部してすぐに引退してしまったらしい）
『弱小空手部』という汚名返上が、今の皆の目標なんだとか。


　そんな目標を持っている女子空手部であるが、1年生にして主将を務めるのが、僕を助けてくれた人の1人――瑞輝透さん。
　次に、副主将の瑞輝零さんともう1人の副主将、宮瀬陽子さん。
　彼女達は、素人の僕が見ていても強いと思う。
　同中だった西条さんは、中学時代いろんな大会に出て優勝していて、学校全体で西条さんを応援していたから彼女の強さを知っている。
　だけど、その西条さんよりも彼女達は強いと思えた。
　その中でも、瑞輝主将は格段に強い。
　実際、西条さんや他の人達も「透は別格だからねぇ〜」と言っていた。


　僕は思う。
　西条さんや、主将達が入ったこの女子空手部。
『愛好会みたいな弱小空手部』と言う汚名を直ぐに返上し、もしかしたら……もしかしたら――。


　全国大会に行くのも夢じゃない！


　……っと、皆さんの紹介をするつもりが、話がずれてしまいました。
　そんな、主将達がいる女子空手部ですが、他の部員達もかなりの曲者……ごほんっ。とても個性豊かな人達が揃っています。
　主将や副主将2人、それに西条さん以外の人達を先にご紹介したいと思います。


　まず初めに、女子空手部1年――鈴木美鈴さんをご紹介します。